先日写真で紹介したソーラー・パネルとシャワーについて。
おととし2007年から2008年の冬にかけて、
ランゼンチームでは、ファッション・ショー(モダンなチベタン民族衣装)と
コンサート、パーティーなど開いて、その入場料からの売り上げで、
老人ホームにソーラー・パネルを設置しました。
それまではお湯は使えずに、冬の洗い物も洗濯(もちろん手洗い)も
冷たい水でしていたのです。
まあ、ネパールでソーラーが付いているお家もインバーター同様、
お金持ちの家、といった認識がありますし、
チベット人たちはお湯のない生活に慣れていますから、
そんなに驚くことではありません。
事実、ネパール人の一般家庭では、
水道からお水が出る生活の方が少数派で、
いまだに水汲みに近所の井戸まで行く家庭のほうが圧倒多数でしょう。
カトマンズは最近、タンクを屋根につけてる家が多くなりましたが、
例えば私の住むスワヤンブでは、水道が通っていない場所の方が
多いですし、通っている地域でも一日1〜2時間くればいいほうです(水が)。
これを自分の家の地下タンクに貯めて、モーターで屋根のタンクに上げて、
で、やっと水道からお水が出る、わけなんですね。
丘の上の住人は、毎日朝から晩まで、バケツやら樽やらで、
坂道を休み休み、水運びすることが毎日の仕事です。
えっと老人ホームに話を戻しますね。
しかしながら、外国生活をしていたり、ビジネスに成功して
いいお家に住んでいるチベタンが増えてきて、
まわりはみんな良い思いをしているのに
老人ホームにお湯が無いのはかわいそう、という
チベット人若者の思いが、ソーラーパネル設置へのきっかけです。
御存知の方もいらっしゃると思いますが、
ここカトマンズにもお金持ちのチベタンがたくさんいます。
元々ビジネスセンスのある方も大変多いですから、
豪邸を通り越して、お城のような家に住み、
毎週お坊さんを家に招いてプジャ三昧、なんて方々もいるわけです。
ホテル経営やらアンティーク・ディーラーやら、
みなさん大きなお金を動かしているらしい。
ランクルを乗り回しておりましてよ。
たまに新聞記事で、
「チベット人の家に強盗。金庫から30ラック(400万円ぐらい)と
金、宝石を盗まれる!」
なんて記事を読むと、盗まれるぐらいならキャンプに寄付でもすれば、
お金も浮かばれたのにねえ、とあきれます。
私の無邪気な「お金持ちに寄付してもらいに行こうよ」という案は、
「むこうから言ってこないのにこっちから行くのはクヤシイ」
との事で、私が彼らの立場だったら、やっぱりもちろん
そんなこと口が裂けても言えませんな。
プライドも許さないし、第一、成功してるお金持ちって、
古今東西ケチが多いです。ふ。
彼らが乗り回してるランクル2千万円
最近買ったi-phone 400ドル
じいちゃんばあちゃんの喜ぶ涙 priceless
といったところ、なんですけどね。
お寺にはいっぱいお布施するのに(徳はつみたい)、
コミュニティーには回さない体質。
たしかダライラマ法王もことあるごとに厳しく批判しています。
そう、みんなでぜひ批判しましょう。
面倒くさいので細かい説明は省きますが、
つまり、50年前、難民として亡命してきた時点で、
すでに貴族と庶民には生活の差があったわけで、
その後、亡命してくる難民にも
お金持ちと貧乏人がいるわけでございます。
で、難民キャンプに住んでいるのは、もちろん後者。
さらには、身寄りが無かったり、職が見つけられなかったりしたわけです。
で、今はどうかと言うと、
「本当に困って他にどこにも行く所がない」といった、
いわゆるニューカマーのたどり着く先、にもなっております。
もちろん「キャンプ」と言っても今は立派な町ですから、
お金を貯めて土地を買って家を建てている家族や、
他の土地に移っていった家族もいます。
で、ソーラー・パネル。
では今までお湯無しでどうしていたの?と疑問に思われる
日本育ちの方もおられるでしょう。
基本的にお湯は飲むもので、他には使いません、チベットでは。
お風呂?・・・・入りません。
でもこれ、高度だから許されるのであって、
カトマンズは1300メートル、夏は暑いし、湿気もあります。
洗い物、洗濯はもちろん水です。
結果、じいちゃんばあちゃんは、洗濯を面倒がって、
いつもきたない服を着ている、と現代っ子のチベタンはこぼすんですが、
「チベットの遊牧民はお風呂入らないじゃん」とは言えず、
「暖かいシャワー」への夢はふくらんだのです。
まず最初に、2枚取り付けて台所と洗い場にお湯が出るようにしました。
ごわごわであっつい皮の手をしたじいちゃんばあちゃんでも、
もちろんあたたかいお湯で洗い物が出来て、顔を洗ったりできると
大喜びでした。
しかし・・・・その数ヵ月後、このパネルは壊れてしまったのです。うぅ。
原因は、「パネルの上に洗濯物やら布団やらを干していた」
という事らしく、なんかとにかく壊れちゃったんですわ。
「絶対に上に何も置いちゃいけない」ということを
誰も注意しなかったのがいけません、はい。
で、修理代をナインアイズから出す事になったのですが、
その時にシャワーの夢が再浮上。
この際、パネルも増やして、シャワーを設置しましょう!!
という事になったのです。
結局修理代その他で、全額にして105000ルピーもかかったのですが、
ナインアイズからは、その内の64000ルピーを寄付しました。
今はまだ寒いので、湯ざめが心配なので使っていませんが!(笑)
日中の暖かい日にスタッフがヘルプして、
じいちゃんばあちゃんをお風呂に入れたいと思います。
多分今は、近所の人々が使いに来ていると思われますが、
老人ホームにシャワーとインバーターが付いて、
若いみんなが出入りしてくれて、話し相手になってくれて、
子供達もやって来て、井戸端会議の場所になったら、
みんな嬉しい事でしょう。
ちなみに「洗濯機を買う?」という私の案は、
「絶対にすぐに壊れる!」という満場一致の意見で却下(笑)。
たしかに。